2013年11月25日月曜日

東京電力福島第1原発4号機の核燃料棒を取す日の朝

2013年11月18日の朝、原発方面に向かって飛ぶヘリコプターが多かった。

いわき市内のガソリンスタンドは、普段より給油する車が多かった。
原発事故に向き合う東電も政府も信用していない、いわき市民の本音が見えた光景だ。
これからも、東電と政府の情報を信用しない決意表明でもある。

核燃料棒を、燃料棒と呼ぶ人の言説も信用できない。
信用すべきでもない。
危険を安全であるかのように、言葉だけ置き換えるのは、安全神話を捏造してきた人達の、これまでの手口だ。

原発事故は、生活の中に入り込み、染み込み、日常風景になっている。

一年間、休止していたブログを再開します。

2012年11月10日土曜日

東京電力の経営理念には、『感謝』の気持ちがなく、上から目線の鼻持ちならない企業体質の原因になっている。

 東電に経営理念はあるが、行動基準はあるかどうか不明


『エネルギーの最適サービスを通じてゆたかで快適な環境の実現に貢献します』
これが現在の東京電力の経営理念だ。

 企業倫理規定や行動基準は、現在あるかどうかわからない。

 現在(2012年11月9日)のホームページでは、企業倫理のページにアクセスしようとすると、下記のようなエラーメッセージが出てしまう。


東京電力ホームページをご利用いただきありがとうございます。

お客さまがアクセスしようとしたページが見つかりません。

Page Not Found
We are sorry the page you requested can not be found on this server.


 倫理規定が不要になって削除したのか、新しい倫理規定を用意しようとしているのか、単なるリンクエラーなのか、不明だ。
 平成15年の企業倫理規定は、PDFデータで読む事ができる。


 異様な印象を受ける東電の経営理念と企業倫理規定


 東京電力の経営理念と平成15年の倫理規定を読んで、印象的なのは、社会に対する感謝や敬意の気持ちが欠落している異様さだ。 

 企業が存在している事や社会に受け入れられていることに対して、感謝や敬意はなく、企業存在は自分たちの『力』によると考えている文章が前面に出ている。

 企業の使命を、技術と広報で達成しようとしているが、『何のために?』という大切な意識が希薄なのだ。
だから東京電力の経営理念と行動基準からは、重視するのは利害関係者で、社外社内の関係者を、自社の意にそったように統制しようとするような魂胆でしか行動しないような経営者が生まれてしまう。

 たとえば、原発事故処理をしているテレビ会議システムの記録を、音声や映像を恣意的に削除して部分公開しないのは、倫理行動基準の中に下記の条項があるからだ。

3. 情報の適正な取り扱い
(1) 知的財産の保護
私たちは、特許権や著作権等の知的財産権を尊重し、・外部情報については、他者の知的財産を侵害しないよう、適正な手段で入手、利用します。・社内情報については、知的財産の価値に応じ、的確に権利を保全します。
(2) 個人情報の保護
私たちは、個人情報を、適正に収集、管理、使用します。本人の同意を得るなどの正当な理由なく、第三者への開示や目的外の利用を行いません。
(3) 機密情報の保持
私たちは、当社の機密情報を、適正に管理します。会社の許可なく第三者に開示したり、業務以外の目的で私的に使用しません。

 何のために『企業倫理』『行動基準』があるのかと問えば、事故を引き起こした犯人企業が恣意的に記録を削除できないはずだが、彼らは平気で削除する。
 社会に対する感謝や敬意の気持ちの無い行動基準に従っているからだ。

 東電が行っている種々の所業の異様さに気づいた東電の経営者や社員は、経営理念と行動基準倫理を問い直して改訂してほしい。
 経営理念は大切だ。
 すでに原発事故前に、東京電力の異様な経営理念を、きちんとした経営理念に作り直した東電グループ企業・東電用地株式会社もある。

 東京電力の未来は、これまでの会社はおかしいと考える東電社員の一人ひとりが切り開くしかない。
 それが出来なければ、福島では事故処理業務だけを行い、他事業は撤退してほしい。あえてきつく言うが、東京電力は、福島から出て行ってほしい。

2012年11月8日木曜日

上から目線で情報隠蔽の得意な東電の福島本社などいらない。企業体質改革しないなら、東電は福島から出て行け!

 東京電力が福島に4000人の社員で、本社機能を作ると言い出した。研究施設も作るし、火力発電所も作るという。
 債務超過会社の東電が、大風呂敷を広げた。

 東電の清水前社長は退任するとき、東電社員の「目線」が問題だと語っていた。原発事故前は、事故情報の隠蔽を見事にしていた。

 風呂敷を広げる前に、頭を下げて企業の体質改革策と実施状況を発表するのが、まっとうな経営ではないのか?

 東電の企業体質が変わらないなら、福島には居ないでくれ!既存の水力火力の発電施設は東北電力に売却して出ていけ!
それが福島県民の気持ちだ。

 政府に10兆円貸してくれと泣きつく情けない会社が、本社機能を福島県に作って地域貢献するなど、どんな顔で言えるのか?

 東電は福島県内では放射能汚染処理事業と廃炉事業、損害賠償業務をしっかりやればいい。東電に、それ以外用事はない。
雇用を作るとか、研究所を作るとか、ゾンビ企業の東電などにしてもらいたくはない。

 東電が政府から借りた札束に目がくらみ、目先の儲け話に踊る福島県人や政治家もでるだろうが、私は面と向かって「恥を知れ」と罵倒するつもりだ。

 体質改善しない東電にうろちょろされるより、貧しくても東電のない福島県の方がいい。
「上から目線」と「隠蔽体質」が改革されるかどうか、東電と東電社員の日常の言動をチェックし続けようと思う。

2012年9月15日土曜日

追いこまれた原発。原因は東京電力経営者と政府の愚行。

2030年代に日本の原子力発電をゼロにする方針を、政府が打ち出した。
現実を直視すれば止むを得ない。野田政権の原発事故対応としては、珍しくまともだ。

原子力発電を続けるには、推進する人達が信頼されることが前提だが、東京電力福島第一原発事故の東京電力と政府の対応は、不信を助長する姿が前面に出ていた。

とりわけ東電の勝俣前会長の事故原因が『想定外』という主張と、野田総理大臣の説明不足が致命的だった。

想定外という勝俣前会長の表明は、事故が進行中で原因も状況もつかめないのに、東京電力が会社の保身を最優先とするメッセージとなり、数十万人の原発事故被災難民を生み出している現実の深刻さを受け止めない、不誠実で浅ましい経営者である事を白日の下に晒した。

原発の過酷事故は取り返しのつかない悲惨なものになる。それにどう対処するかが最重要課題で、電力会社の存続や損得などは、後回しにすべきものだ。
そんな判断もできない経営トップを押し戴き、社内で経営者の責任を問う事もできない東京電力の体質は危険で、原発の運転をさせられない。
東京電力には福島だけではなく、新潟の原発も運転させてはいけないと思われても仕方がない。

官僚が書いた脚本は駄作だった。
野田総理大臣は壊れた原子炉が冷温停止したと言って世界の原発関係者の笑い者になり、収束していない事故を収束したと言いくるめようとし、夏の電力不足というデマにも冷静な判断が出来ず、福島原発事故調査が終らないのに大飯原発を再稼働させ、反・脱原発の火に油を注いだ。
同じ脚本でも演出演技で、見られる作品にできる可能性はあるが、野田総理は舌禍を怖れマスコミから逃げる姑息な戦術で政権の長期化を図っている。
政策を丁寧に説明するより、政権延命を優先する本末転倒を選択しているから、脚本の酷さを修正出来ず、信頼を回復できない。
彼は信頼を回復するより、原発安全信仰復活の道を選んで歩いた。

国会事故調は報告書で、今回の事故は想定できるものだった、事故は収束していないと、二人の言動を厳しく批判している。

人類が核エネルギーを手にし、使い出して半世紀が経った。戦争や麻薬と同じで、身を滅ぼすと知りながら、決意するだけでは人類は放棄しない。 

原発事故に真摯に向き合い悲劇を乗り越え、原発を安全に使い、人間が必ず繰り返す将来の悲劇をいかに最小限にするか、人類にとって貴重な英知をフクシマの事故から得る道を、東電の経営者と野田政権の愚行が閉ざした。

日本の原発関係者は、自分達で原発の墓穴を掘り、自分達の手で葬った。

2012年9月13日木曜日

野田首相の脳は、やはりメルトダウンしている。

昨年12月に冷温停止したから原発事故は収束したと言っている野田首相が、今度は、まだ緊急事態宣言状態だから原子力規制委員会委員の任命を国会の同意なしで決めると、言っている。

緊急事態は、深刻な原発事故事故で宣言されるのに、事故は収束してると言う。
黒を白と言いくるめるインチキは、官僚特有の内向き居直りロジックで通用しない。政治家としては恥だろう。
野田首相の脳は、やはりメルトダウンしている。

野田政権は収束宣言で、原発事故現場で働いている労働者の被曝診療支援を昨年12月に打ち切った。

最前線の労働者を見捨て、国会の同意手続きではインチキをする。

冷温停止して、同時に、緊急事態下なのは、原発ではなく民主党と野田政権だ。

一日も早い総選挙での廃炉を望んで止まない。

2012年7月20日金曜日

電力会社の原子力事業関係者の、原発事故に対する考えの軽さに驚きました。


政府がエネルギー政策で国民の意見を聴く名古屋の意見聴取会のニュースで、原子力事業関係者が「今回の事故で放射能で死んだ人は、疫学的にはいないし、将来的にもいないはず」との発言をしていました。


原子力事業関係者の原発事故に対する考えの軽さ、程度の低さ浅さに驚きました。


疫学的な判断は1年や2年ではできない話で、結論を得るには数十年から十数年を要します。疫学的結論が出るのは、被害が確定した後です。
だから、百数十万人にのぼる福島原発事故による被爆者に、いま疫学的な話を適用するのは不適切です。

また将来も、放射能被爆での死者はないと無条件で言い切るのは、楽観的すぎます。

今回の事故で、東電の原発が発電所外に放出した放射能汚染の核種の質量は、放射性セシウムが4332g、放射性ヨウ素131は32.7gです。『放射能除染の原理とマニュアル』(藤原書店 p22-p25)
これだけ大騒ぎになっているに、原発外に放出された核種はわずか4.2kgほどの重さしかありません。

一方、東電福島第一原発の壊れた原子炉の中には数トンの核燃料などの放射性物質が存在しています。
これから数十年かけて、安全な場所に移し安定的な管理が可能な状態にしなければならないのですが、現在、壊れた炉での作業は始まっていません。

高線量被爆リスクが高い大変な作業はこれから始まり、長期間行われます。

それなのに、「将来的にも放射能による死者はいない」と断言するのは、あまりに楽観的で近視眼的です。日本の原子力事業関係者が、いまだに、このような緊張感の無い発言しているのは、反省が足りないのではないかと危惧してしまいます。


また原発事故では、放射能だけが命を奪うのではありません。

原発事故に直接対応した電力会社と政府が慌てうろたえて、住民の避難をきちんとできなかったため、多くの人が、原発事故にともなう混乱のなかで死亡しています。
原発事故は病弱者や高齢者の健康を奪い、汚染地域の農業者の希望を奪って死に追いやりました。


原発事故の被害は広範囲です。

原子力事業関係者の発言は『原発事故は被爆死亡者が出なければ許される』という、とんでもない主張にも聞こえ違和感を抱きました。

最近、横浜に行ったいわき市の人が、「レストランに入ったらメニューに『当店では福島県の食材は一切使用していません』と書いてあって、とてもショックでした」と話していました。

福島県産の食材はサンプリング調査で安全基準を満たしている場合だけ、出荷しています。また、横浜で「放射能による死者は出ていないはず」です。
でも、東電原発事故の内外被爆による健康被害の疫学的結論はまだまだ出ないので、福島県の食材生産者は、根拠の無い中傷で営業妨害だと、横浜のレストランに抗議できません。
この小さな悔しい現実も、原発事故が引き起こしている数えきれないほどたくさんある被害のなかの一つです。

彼のような軽い考えの原子力事業関係者は(全てではないのでしょうが)、被害地域の住民や原発事故現場の危険な最前線で働く人の姿は見えない意識構造をしているのだと、あらてめて思い知らされました。
東電がレベル7の事故を起こしたのに、いまだに、こんな発言をする幹部がいる原子力業界は、かなり危うい存在です。

原発20%-25%を支持する原子力事業関係者の、意見の程度が低く浅く軽いのが良くわかる発言でした。