政府は1年過ぎても、原子力発電所事故にまともな対応をしていません。
政府の事故調査も済まないのに、原発の再稼働を図る電力会社と政府の態度に、福島県知事からは「忸怩たる思い」の表明や、滋賀県や京都府の知事から「提案」が出されています。
原発の運転には、設備などのハード面とともに、運転、管理、事故対応などのソフト面からの対策も不可欠です。
事故発生直後に、通信や連絡手段をほとんど失ったり、地震や高汚染で現地事故対策本部に人が集まらなかったりしました。病院では患者救出を長時間待たされて数十人の死者を出しています。
原発事故の想定も対策も甘過ぎました。
放射能汚染も深刻です。国の打ち出す基準は、これまでの放射線管理からみれば違法で、納得できないものばかりです。汚染食品も市場に出たりしています。
除染にたいして電力会社は不誠実ですし、行政は手探り状態です。
大丈夫ですと言っている政府が一番危ない。その政府の顔色を見て手を回す電力会社経営者の姿。住民軽視、現場軽視。それが、この一年間で見えてきた原発事故対策ソフト面のお寒い構図です。
危ない政府と電力会社が原発の再稼働を急いでいます。明示された過酷事故対策を後回しにする姿に、言葉を失いそうになりますが、言わなければなりません。
「なによりも、政府と電力会社を被告席に座らせて、情報をすべて出させた検証が必要です」
現在の『拙速』再稼働の騒動についても、きちんと解明してほしいと思います。
原発再稼働は、その後の課題です。