2011年12月17日土曜日

事故の基準を誤摩化す「自己中」政治家=野田総理大臣の「原発事故収束」の詭弁は通るか?

野田総理大臣は、原発被災住民や原発労働者をなめていると思う。

彼は原発事故は収束したと2011年12月16日に発表した。
理由は、原子炉圧力容器や格納容器の温度から冷温停止と判断し、さらに原発周辺への放射線漏出が年間1ミリシーベルト以下の見込みだという。
野田さんの説明は、詭弁だ。

原発事故には評価基準がある。レベル0からレベル7までだ。
原発関係者はレベル0からレベル3までは「事故」とは言わず「事象」としている。
レベル0=尺度以下
レベル1=逸脱
レベル2=異常事象  
レベル3=重大な異常事象

レベル4=所外への大きなリスクを伴わない事故
レベル5=所外へのリスクを伴う事故
レベル6=大事故
レベル7=深刻な事故

東京電力の原発は、「事故」と評価された。放射能汚染や爆発によって所外にリスクを負わせたからだ。

2011-3-12 保安院レベル4と発表  =レベル4は「所外への大きなリスクを伴わない事故」
2011-3-18 保安院レベル5に引上げ =レベル5は「所外へのリスクを伴う事故」
2011-3-25 朝日新聞がレベル6相当と報道する=レベル6は「大事故」
       しかし、保安院はレベル5のまま
2011-4-12 保安院がレベル7と発表 =レベル7は「深刻な事故」

メルトダウンしている原発事故を「レベル4」と評価し発表した保安院を民主党政権は追認したが、
今度は放射能漏出を続けている原子炉や、所外に基準の20倍もの放射線を出す発電所に「事故収束」との認識を示した。

2011-12-16 野田総理大臣=「事故収束」と発表

基準によれば「事故」は所外にリスクを及ぼしている間はずっと続く。
原発が施設外に出してよい放射線量は年0.05ミリシーベルト以下としてきた。1ミリシーベルトは基準の20倍もの放射線量を漏出するから「事故中」である。
東京電力と同じ加害者の立場にある国の責任者の野田総理が、「事故は収束」したなどと、ぬけぬけと主張する「自己中」姿勢は通らない。

今、双葉町と大熊町の原発で働く人は危険な事故処理をしているのであって、普通の原発で業務を行っているのではない。
原発外への放射能漏出は続いているから、原発事故被災住民にも通じない詭弁だ。火事でまだ火が消えていないのに、消えたと出火元の家人が宣言しているようなものだ。

被災住民や原発労働者にとって、野田さんは「事故中」の基準を誤摩化して恥じない「自己中」政治家だ。
基準を絶対変えるなとはいわないが、きちんと変える手続きが必要だし、住民への謝罪と説明も必要だ。
しっかりした記者会見も日頃せず、マスコミから逃げ回っている情けない総理大臣が、ちょこちょこ話す程度で勝手に基準を変えてはいけない。説得力もない。

政治家が一番大切にすべきは『倫理』ではないのか? 
何かの理由があっての事なのか、人格や能力が原因かは分らないが、野田さんはダメな政治家だ。