東電に経営理念はあるが、行動基準はあるかどうか不明
これが現在の東京電力の経営理念だ。
企業倫理規定や行動基準は、現在あるかどうかわからない。
現在(2012年11月9日)のホームページでは、企業倫理のページにアクセスしようとすると、下記のようなエラーメッセージが出てしまう。
| 東京電力ホームページをご利用いただきありがとうございます。 |
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| Page Not Found | |
| We are sorry the page you requested can not be found on this server. | |
倫理規定が不要になって削除したのか、新しい倫理規定を用意しようとしているのか、単なるリンクエラーなのか、不明だ。
平成15年の企業倫理規定は、PDFデータで読む事ができる。
異様な印象を受ける東電の経営理念と企業倫理規定
東京電力の経営理念と平成15年の倫理規定を読んで、印象的なのは、社会に対する感謝や敬意の気持ちが欠落している異様さだ。
企業が存在している事や社会に受け入れられていることに対して、感謝や敬意はなく、企業存在は自分たちの『力』によると考えている文章が前面に出ている。
企業の使命を、技術と広報で達成しようとしているが、『何のために?』という大切な意識が希薄なのだ。
だから東京電力の経営理念と行動基準からは、重視するのは利害関係者で、社外社内の関係者を、自社の意にそったように統制しようとするような魂胆でしか行動しないような経営者が生まれてしまう。たとえば、原発事故処理をしているテレビ会議システムの記録を、音声や映像を恣意的に削除して部分公開しないのは、倫理行動基準の中に下記の条項があるからだ。
3. 情報の適正な取り扱い
(1) 知的財産の保護
○ 私たちは、特許権や著作権等の知的財産権を尊重し、・外部情報については、他者の知的財産を侵害しないよう、適正な手段で入手、利用します。・社内情報については、知的財産の価値に応じ、的確に権利を保全します。
(2) 個人情報の保護
○ 私たちは、個人情報を、適正に収集、管理、使用します。本人の同意を得るなどの正当な理由なく、第三者への開示や目的外の利用を行いません。
(3) 機密情報の保持
○ 私たちは、当社の機密情報を、適正に管理します。会社の許可なく第三者に開示したり、業務以外の目的で私的に使用しません。
何のために『企業倫理』『行動基準』があるのかと問えば、事故を引き起こした犯人企業が恣意的に記録を削除できないはずだが、彼らは平気で削除する。
社会に対する感謝や敬意の気持ちの無い行動基準に従っているからだ。
東電が行っている種々の所業の異様さに気づいた東電の経営者や社員は、経営理念と行動基準倫理を問い直して改訂してほしい。
経営理念は大切だ。
すでに原発事故前に、東京電力の異様な経営理念を、きちんとした経営理念に作り直した東電グループ企業・東電用地株式会社もある。
東京電力の未来は、これまでの会社はおかしいと考える東電社員の一人ひとりが切り開くしかない。
それが出来なければ、福島では事故処理業務だけを行い、他事業は撤退してほしい。あえてきつく言うが、東京電力は、福島から出て行ってほしい。