2012年2月27日月曜日

とうとう始まった民主党政権の暴挙。原発避難者を通告なしのバリケード封鎖で、故郷から追い出す。

日本政府は年間50ミリシーベルト以上被爆する帰還困難区域を、バリケード封鎖するための入札を実施し、資材を発注した。

政府は汚染地域の関係自治体に連絡せず、バリケード封鎖を実施しようとしていると、地元自治体では話しているが、政府は、関係自治体の誰か不明だが関係者には話していると居直っている。

また日本政府は、年間50ミリシーベルト以上の地域がどこであるかを公表していない。
文部科学省が公表した放射線測定結果は、1時間あたりの数値で、どこが年間50ミリシーベルトになるか不明だ。

住民は情報も連絡もなく、一方的に追い出される。『足尾』の悲劇が再現されそうだ。

地元住民を無視する官僚のやりたい放題。
放射能汚染とどう対峙するか、住民の一人ひとりが責任を持って選択する権利、基本的人権を踏みにじる暴挙だ。


役人を御しきれない民主党政権の地元選出民主党国会議員。あなたは役人からのレクチャーで、住民を忘れたのか、それとも『バカ』か!?



「事前連絡なかった」 バリケード設置で浪江町長
                      (2012年2月27日 福島民友ニュース
避難区域の見直しに伴い、新たに設定される「帰還困難区域」に政府がバリケードを設置することを受け、浪江町の馬場有町長は「政府から事前連絡が一切なかった。町民の帰町への希望を断ち切るような重要な案件をどうして言わないのか」と国への不信感を募らせ、地元の町村への情報連絡の在り方を見直すよう求めている。

すでに政府はバリケード設置の入札を終えており、今春にも設置する考えという。帰還困難区域に指定される地域は、多くが同町になるとみられる。
馬場町長は「国や政府が双葉郡の町村や住民を軽視している状態が震災以降、今も続いている。今後の支援策や復興計画に向けて国と連絡を密に信頼関係を構築することが重要。国や政府は、地元への対応姿勢を見直すべきだ」とした。



さらに中間貯蔵施設問題でも地元町長たちに会談をボイコットされている。

毎日新聞 2012年2月26日 21時07分(最終更新 2月27日 7時48分)


2012年2月26日日曜日

タテ148ミリ、ヨコ107ミリの120ページに511首。

大熊町の佐藤祐禎さんが『歌集 青白き光』(出版 いりの舎 700円税込)を出した。平成16年に短歌新聞社から出した歌集を、昨年12月に『いりの舎』で再版した。タテ148ミリ、ヨコ107ミリ、120ページの小さな文庫に511首が載せられている。佐藤さんは大熊町からいわき市に避難している。


文庫表紙カバーには『青白き光』五首

いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜の列なる

小火災など告げられず原発の事故にも怠惰になりゆく町か

原発が来たりて富めるわが町に心貧しくなりたる多し

原発に勤むる一人また逝きぬ病名今度も不明なるまま

原発に怒りを持たぬ町に住む主張さへなき若者みつつ



原子力発電所のある大熊町で農業をしながら歌い貯めた2300首から選んだ511首だ。


第1首は昭和58年 
娘大学入学

去りゆきし子の匂ひこもるこの部屋をわれは暫く書斎とぞぜむ

最後は平成14年 
東電の組織的隠蔽

いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜の列なる

原子力発電所のある町で何を思いどう向き合って暮らしてきたか、佐藤さんの眼と気概を通し住民のほんとうの姿が描き出されている。

2012年2月8日水曜日

いつやるか…。

くじらおかさんは、いわき市で農業をしている。日本酒を飲みながら静かに話す。
「田んぼは1年で1ミリ表土がつくられる。3センチだと30年。はじめにゼオライトを撒いてから、3センチひっくり返す。次に30センチひっくり返す」

300年前の土が表土になる。農は土作りから始まる。今年はゼロからではないが、江戸時代の土で始める。明治以降の新田や耕土が浅いとゼロからになる。

農地の放射能汚染に、どう対処するのか、くじらおかさんはいろいろな試みを見てきて、天地返しする(反転耕)ことにした。

除染はできない。膨大な汚染土を処理する現実的な方法が、今はない。

『その方法は1回しか使えない。今年また原発がドカンとなって、風がこっちに吹いてきたら次はできない。だけど言わなくても、くじらおかさんは分かってるだろう』、僕はそう思いながら黙って飲む。
くじらおかさんも、飲みながら考えている。

くじらおかさんが、酒を一口飲んでまた続ける。「普通の栽培だと、耕すのは15センチ、根はそれより深く入らない。だけど、30センチ天地返ししたら入るかもしれない」

今年やるか…。重い決断が、春に待っている。

いわき市の水田=2011-6月

2012年2月7日火曜日

仏原子力安全研究所長が、日本政府=野田総理の『冷温停止状態』を冷笑。

東京電力の福島第一原子力発電所2号機の炉内温度が上がっている。安定した冷却ができていない。マスコミが指摘してる80度だの、政府が言い訳している高温を示す温度計の数の問題ではない。不安定な炉の状態が問題なのだ。

「収束したはずじゃなかったの?」と、住民は官房長官の言い訳を聞いて腹を立てる。墓穴を掘る政府の姿に、不信がまた一つ積み上がる。


「『冷温停止』とは通常に稼働している原子炉にたいして使う言葉。事故で谷底に落ちた車を指して『エンジンは止まった』と言っているのと同じ。」と、フランス放射能防護原子力安全研究所のジャック•ルピュサール所長は言った。(パリ共同=松村圭)

政府よりフランス人のシニカルな言葉が現状を言い当てている。

汚染水の漏出、不安定な原子炉冷却などこれだけトラブルが続いても、「ムニャムニャだから、事故じゃない」と政府は言い張る。
トラブル続きでも「ムニャムニャだから、原発は安全だ」と言い張ってきたのと同じことを、野田さんは始めた。

『安全神話』と同じロジックだから、『事故じゃない神話』を作ってしまうことになる。

「原発は安全だ安全だ」と言い張ったばかりに、根本的な改善措置をとれなかった原発推進関係者の轍を踏んでいる。誰が何を言おうと一番大切な『安全を確保』するより、改善もしないで「安全だ安全だ」と『言い張る立場』を確保してしまった反省を、生かしていない。

事故真っ最中の原発近くの汚染されたふるさとに住民が帰還する事をどう受け止めるのか。重い問題なのに、住民票を発行するのに印鑑が必要程度の浅薄な考えで「事故収束」と言って済ます。

哲学のない政治家が首相になっているからこんなことになる。
野田さんは若いし未熟だからしょうがない。浅知恵役人からの入れ知恵で「収束っ!」と言ったんだからと、大目に見るにはあまりに愚かな総理大臣だ。

情けない話だ。